
- そもそも小規模宅地等の特例とは?
- 老人ホームに入居したときはどのような人が対象?
- 具体的にどのようなケースで特例が使えるの?
- まとめ
そもそも小規模宅地等の特例とは?
小規模宅地等の特例は、相続した土地の評価額を最大80%まで引き下げることができる制度です。
・どんな土地が対象か?
主に、被相続人が自宅として使用していた土地(特定居住用宅地等)が対象となります。
・どんな人が利用できるの?
被相続人の配偶者や被相続人と一緒に住んでいた親族が相続した場合に利用できます。
※被相続人と一緒に住んでいない場合でも、その親族が被相続人の相続が発生する3年以上前から賃貸に住んでいた場合などの要件を満たせば利用できる場合もあります。
老人ホームに入居したときはどのような人が対象?
・要介護・要支援認定を受けている方
介護が必要な状態であった方
・老人ホームに入所していた方
法律で定められた老人ホームに入所していた方(「老人福祉法等に規定する老人ホーム」に入居していたこと)
・被相続人が住んでいた自宅を老人ホーム入居後に『事業の用』又は『「被相続人」、「被
相続人の生計一親族」、「老人ホーム入居直前に被相続人と生計を一にし、かつ、その建物
に引き続き居住している被相続人の親族」以外の居住の用』に供さないこと
少し複雑な内容ですが、簡単に説明すると、被相続人が住んでいた家を、他の人に貸し付けたり、被相続人が老人ホームに入居した後に同居していなかった他の親族が使っていないことが要件となっています。
参考:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/10/15.htm「国税庁HP」
具体的にどのようなケースで特例が使えるの?
a.夫婦で住んでいた家に、配偶者が引き続き住んでいる場合
被相続人が老人ホームに入所し、配偶者が自宅に住み続けている場合、配偶者がその家を相続するときに特例が適用できます。
b.夫婦で老人ホームに入所し、自宅が空いている場合
ご夫婦揃って老人ホームに入所し、自宅が空いていた場合でも、配偶者がその家を相続する場合、特例が適用できます。
c.同居の親族が引き続き住んでいる場合
被相続人と同居していた親族が、被相続人が老人ホームに入所した後も自宅に住み続けている場合、その親族が相続するときに特例が適用されます。
ここで言う同居とは、住民票の住所が被相続人と同じであることだけを指しているわけではありません。実際に被相続人とその親族が一緒に同じ屋根の下で日常の生活をしていたことなどが大事になっていきます。
よくある間違えなのでご注意下さい。
d.別居の親族(家なき子)が相続する場合
一人暮らしをしていた被相続人が老人ホームに入所し、別居していた賃貸住まいの親族(いわゆる「家なき子」)であるときは、特例が適用できます。
e.被相続人と同居している親族がいるが、別居親族(家なき子)が相続する場合
別居親族(家なき子)が相続する場合には、被相続人が一人暮らしである必要があります。そのため、特例は適用できません。
f.被相続人が老人ホームAに入居後、別の老人ホームBに転居した場合
老人ホームA、老人ホームBいずれも法律で要件を満たしている老人ホームである場合には、入所する前に住んでいた被相続人の自宅については適用できます。
まとめ
老人ホーム入居中の親の自宅を相続する際の税金対策として、小規模宅地等の特例は非常に有効な手段です。しかし、適用には様々な条件があり、ケースによって異なります。
ご自身のケースに特例が適用されるか、また、どのような手続きが必要かなど、相続税は専門性の高い分野です。税理士法人とおやままでお気軽にご相談ください。
相続税のプロが、お客様の状況に合わせて最適なアドバイスを行います。
ご自身で判断せず、まずは専門家にご相談することをおすすめします。
相続は人生の一大事です。後悔のないよう、専門家にご相談ください。
ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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