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遺産分割協議書とは、遺産分割協議において、法定相続人全員が合意した遺産の分け方や分割割合をまとめた書面のことです。相続人全員の署名と実印の押印が必要となります。
遺産分割協議書を作成する主な目的は、遺産分割協議で決定した具体的相続分について、法定相続人全員が合意していることを第三者(金融機関、法務局、税務署など)に証明するためです。
また、この書類は法的に有効なものであり、作成することで、「言った・言わない」といった将来的な相続トラブルが発生するリスクを減らす効果もあります。
遺産分割協議書の作成は法的に義務付けられているわけではありませんが、遺言書がない場合など、相続手続きを進める上で提出を求められるケースがほとんどであるため、作成が必要な場合が多いです。
遺産分割協議書の提出先は、必要な各種相続手続きに応じて主に5つあります。
| 手続きの内容 | 主な提出先 | 期限の目安 |
| 不動産の相続登記 (名義変更) | 法務局 | 知った日から3年以内(2024年4月1日以降義務化) |
| 相続税の申告 | 税務署 | 相続開始の翌日から10ヶ月以内 |
| 預貯金の解約・名義変更 | 銀行等の金融機関 | 期限なし(速やかに推奨) |
| 株式・投資信託の名義変更 | 証券会社または株式発行会社 | 期限なし(速やかに推奨) |
| 自動車の名義変更 | 運輸支局 | 期限なし(速やかに推奨) |
不動産の所有者が亡くなった場合、その名義を相続人に変更する手続き(相続登記)を行う必要があります。
相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×600万円)を超える場合は、相続税の申告・納付が必要です。
被相続人の預貯金を払い戻しや名義変更する際、銀行等の金融機関に遺産分割協議書を提出します。
株式や投資信託を相続する場合、株式口座を開設している証券会社に遺産分割協議書の提出が必要です。
被相続人が所有していた自動車の名義変更手続きを行う際に、運輸支局に遺産分割協議書を提出します。

国土交通省HP(https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000340978.pdf)参照
以下の3つのケースでは、遺産分割協議書の作成や提出は不要です。
遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、印鑑登録された実印を押す必要があります。また、その実印が本物であることを証明するため、相続人全員分の印鑑証明書の添付が必須となります。
相続手続きで遺産分割協議書を提出する際原本の提出が求められます。(相続税申告は写しでも可)
遺産分割協議書を複数の提出先で使用する場合は、原本を提出した後、各提出先で「原本還付(げんぽんかんぷ)」の手続きを行うことで、原本を返却してもらい、使い回すことが可能です。原本還付の手続きは、遺産分割協議書のコピーに「原本と相違ありません」という旨を記載し、実印を押印して、原本と一緒に提出することで行います。
遺産相続が開始した後、故人の葬儀の手配や親族への連絡などに追われ、精神的にも時間的にも余裕がないことが多いです。しかし、相続関連の手続きを怠るとペナルティを課される可能性もあるため、「時間がなかった」では済まされません。
遺産分割協議書は、不動産の相続登記(法務局)、相続税の申告(税務署)、預貯金や株式の名義変更(金融機関・証券会社)、自動車の名義変更(運輸支局)といった様々な手続きで必要とされます。
特に、相続税の申告が必要な場合は、相続開始から10ヶ月以内という厳格な期限がありますので、この期限に間に合うように遺産分割協議を完了させ、遺産分割協議書を作成する必要があります。相続財産調査や、遺産分割協議書の正確な作成には専門的な知識が必要で、時間がかかることが多いです。期限に迫られたり、手続きが複雑で素人には難しい作業が生じた場合、必要に応じて司法書士、税理士、弁護士などの専門家の利用を考えることが、スムーズな相続手続きを進めるための重要なポイントです。
記事監修税理士

税理士法人とおやま
税理士 遠山大地
