
相続により取得した空き家を売却予定の方へ。税金対策として知られる「空き家特例」を、最大限に活用するためには、制度の仕組みを正しく理解することが重要です。
- 空き家特例とは?譲渡所得から最大3,000万円の控除が可能に!
- 空き家特例が適用される住宅の要件
- 令和6年の改正点に注意!
- 空き家特例の手続きと必要な書類
- 税理士法人とおやまにご相談ください
空き家特例とは?譲渡所得から最大3,000万円の控除が可能に!
「空き家特例」とは、正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と呼ばれ、相続により取得した空き家を一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。この制度を活用することで、所得税の負担を軽減することができます。
よくある間違え
Q.税金が3000万円安くなるの?
A.×税金ではなく、最大3000万円分控除することができる制度となっています。
空き家特例が適用される住宅の要件
空き家特例が適用される住宅には、いくつかの要件があります。
被相続人が居住していたこと: 相続開始の直前まで、被相続人が実際にその住宅に住んでいたことが必要です。(※1)他の人に貸し付けていたり、事業として使っている場合には適用できません。
(※1)老人ホームに入所していたなど一定の事由により、被相続人が住むことが出来なかった場合であっても、一定の要件を満たすことで、被相続人が居住していたとして適用が出来る場合もあります。
建築時期: 昭和56年5月31日以前に建築された建物が対象となります。
売却期間: 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
例えば、令和5年に相続が発生した場合、令和5年を1年目として、令和6年、令和7年、令和8年の3年間が売却の対象期間となります。つまり、令和8年12月31日までに売却を完了させる必要があります。
耐震基準: 耐震基準を満たしているか、または取り壊している必要があります。耐震基準の要件については、譲渡日の属する年の翌年2月15日までに、譲受側(購入者)が耐震改修工事や取壊しを行った場合も含まれます。
売却代金:1億円以下であること。譲渡代金は売買契約書の金額だけでなく、固定資産税精算額、譲渡協力金なども含まれます。
買主:第三者である必要があります。妻や子供、同族会社に対して売った場合には、適用できません。
区分所有建物でないこと:マンションの一室や、二世帯住宅の各戸がそれぞれ独立した所有物として登記されている場合は適用できません。
令和6年の改正点に注意!
令和6年1月1日以降に行う譲渡で、被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は、控除額が2,000万円に減額されます。
空き家特例の手続きと必要な書類
空き家特例を受けるためには、以下の書類を準備し、手続きを行う必要があります。
被相続人居住用家屋等確認書:家屋が所在する市区町村に申請し、発行してもらう必要があります。発行までは1週間程度かかります。
被相続人居住用家屋又はその敷地等の売買契約書の写しその他の書類
被相続人居住用家屋の耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評書
登記事項証明書
税理士法人とおやまにご相談ください
空き家特例は、適用要件や手続きが複雑なため、ご自身で判断するのは難しい場合があります。税理士法人とおやまでは、お客様の状況に合わせて最適なアドバイスを行い、手続きをサポートいたします。