
相続専門税理士とはなんだろうか?
よく他のサイトにいくと「うちは相続専門の税理士です」とうたっているところがある。専門であるとまるで単純にスペシャリストのように聞こえるし、相続特化の税理士よりもいいように見えるかもしれない。
そういったサイトに良く書いてあることはこんなことである
・うちは相続税申告しかしていないので、相続税専門の税理士ですよ
・相続専門にやっているため、節税提案が得意です
といったことである。
しかし、果たしてそうだろうか?相続税申告を沢山やっていると自然と自営業の方や自分で会社をもっている人に遭遇する。うちは相続専門なのでお断りしますとしている可能性も無きにしも非ずであるが、全てを断っている税理士というのは存在しないと思える。
私自身過去に他の相続専門税理士事務所に何社か入社していたが相続税申告だけやっているところはなかった。
実際に相続専門税理士のページをみてみると「確定申告のお知らせ」などが書いてあったり、そのページには書いてなくても別サイトで書いてあることはよくあることである。専門といいつつも純度100%かというとそうではないということだ。(純度90%くらいですよと言ってくれるととても信用できる。インパクトは薄くなるかもしれないが)
そして、相続専門かどうかというのは税理士事務所に入社してみないとわからない。言葉では「相続専門です!」とはいくらでもいえるからだ。相続専門の税理士であるかどうか取り仕切るところがないのである。言ってしまえば相続専門税理士という言葉は、無法地帯なのである。
相続専門でやっているので節税が得意です!は本当か?
相続税をやっていると相続以外の知識ももちろん必要になってくる。相続対策をするには、法人税の知識も必要だし、所得税の知識も必要となる。相続税で特になっても所得税では不利なってしまうこともある。総合的な知識が税法には必要になってくるのだ。
本当に相続専門だとしたらそういった知識が漏れていることとなる。つまり、「広範囲の知識を有している」=「相続専門ではない」ということである。
もしも、相続専門の税理士に確定申告のことをきいたら、本当に専門であればうろたえるか、他の税理士に相談して下さいと答えることだろう。ただ、そんな頼りない税理士はいない。
相続専門税理士の現状
また、最近注意した方がいいのは、相続専門税理士事務所の中には、自分のところでは手に負えないため、他に外注しているところがあるということだ。もしも面談の際に「うちのグループ税理士がやりますね」と言われたら要注意である。これは、グループというと1つのチームのように聞こえるかもしれないが完全に外注である。そして、その外注された税理士は特に相続専門でもなければ、相続に詳しい訳でもないため注意が必要である。
つまり、相続専門の税理士事務所に依頼したつもりが実は相続専門でも何でもない事務所に依頼していたということが起こりうるのだ。
相続専門税理士という言葉に踊らされずにその人が信頼できるか?知識が十分ありそうか?といった目で見て欲しい。